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2008-02-01(Fri)

中国製ギョーザ 余録

余録:中国製ギョーザ
 
中国の道教の書にはさまざまな便利な仙薬が書いてある。ある薬は飲むとすぐ仙人になり、門につければどんな化け物も入れない。別の薬は飲んで100日たたないと仙人になれないが、どんな武器でも傷つけられなくなる▲最高の

金丹は仙人になって長生きできる上、薬自体も簡単に金になる。つまり仙薬作りは錬金術でもあった。「道教百話」(講談社学術文庫)を書いた窪徳忠(くぼのりただ)さんは北京の薬屋で書物通りに薬の調合ができるかと聞いたこと

がある。答えはこうだった。「できるが、飲めば死ぬ」▲だからどんな虫も農作物に寄せつけぬ便利な薬といっても、まず人の健康への影響を心配するのが先だ。まして薬による錬金術が消費者を脅かすことがあってはならない。だ

が、日本で売られていた冷凍ギョーザから見つかったのは多くの国が使用を禁止した強力な殺虫剤だった▲当初、千葉県などの3家族10人の被害が伝えられた冷凍ギョーザ中毒事件だ。しかしその後全国各地から同じような被害の報

告が相次いでいる。中国の河北省にある同じ工場で製造された製品の各食品会社による自主回収も広がるばかりだ▲これが原料の野菜の残留農薬のためか、それとも製造過程で何らかの原因で混入したのかはまだ分からない。ここは日

本と中国の当局が緊密に連携し、消費者の納得のいく原因究明を進めない限り、中国製品への不信はとめどなく広がろう▲便益追求を優先する急激な産業化が、人命を脅かす毒をまき散らす経験は他の産業諸国もくぐりぬけた。いま中国に求められるのは、その教訓を学び、人命や健康を最優先する価値観をまず産業の基軸にすえることだ。

毎日新聞 2008年2月1日 0時12分

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