2007-11-28(Wed)
春秋(11/28)
春秋(11/28)
2000年もの間、同じ土地で、ずっと同じ作物をつくり続けて、連作障害も土壌流失もない。自然が肥よくな土を運んでくる河口のデルタとは違う、人間が開いた歴とした耕地。日本の田んぼは米の収穫のほか、国土の保全や水資源の涵養(かんよう)、山と里と海を結ぶ生態系の懸け橋まで担う。
▼米の値が下げ止まらず、稲作農家の経営がピンチだという。役所が防災機能を強調する森林の場合、主産物の木材市況はまだ不透明だが、温暖化ガスCO2の吸収源として、その整備には相当額の予算が投じられる。それに比べ、水田の環境貢献は評価が低い。
▼与野党がそれぞれ掲げる農家への所得補償は、農業政策というより集票策の気配も濃いが、議論の過程で環境保全という視点は欠かせない。地球の温暖化では、大量の炭素ストックを持つ土壌が、焦点になっているからだ。大地が炭素を吸収せず放出し始めると、温暖化は加速度的に進む。
▼評論家の富山和子さんが毎年出している「日本の米カレンダー」の2008年版は、島根県大田市のヨズクハデを表紙にしている。4本の柱を組み上げ、約5俵分の稲束を干す大きな稲架(はさ)で、四方八方から風が通り抜ける。農林分野の補助金や補償には、不透明さがつきまとう。せめてヨズクハデのような風通しのいい議論を――。
2000年もの間、同じ土地で、ずっと同じ作物をつくり続けて、連作障害も土壌流失もない。自然が肥よくな土を運んでくる河口のデルタとは違う、人間が開いた歴とした耕地。日本の田んぼは米の収穫のほか、国土の保全や水資源の涵養(かんよう)、山と里と海を結ぶ生態系の懸け橋まで担う。
▼米の値が下げ止まらず、稲作農家の経営がピンチだという。役所が防災機能を強調する森林の場合、主産物の木材市況はまだ不透明だが、温暖化ガスCO2の吸収源として、その整備には相当額の予算が投じられる。それに比べ、水田の環境貢献は評価が低い。
▼与野党がそれぞれ掲げる農家への所得補償は、農業政策というより集票策の気配も濃いが、議論の過程で環境保全という視点は欠かせない。地球の温暖化では、大量の炭素ストックを持つ土壌が、焦点になっているからだ。大地が炭素を吸収せず放出し始めると、温暖化は加速度的に進む。
▼評論家の富山和子さんが毎年出している「日本の米カレンダー」の2008年版は、島根県大田市のヨズクハデを表紙にしている。4本の柱を組み上げ、約5俵分の稲束を干す大きな稲架(はさ)で、四方八方から風が通り抜ける。農林分野の補助金や補償には、不透明さがつきまとう。せめてヨズクハデのような風通しのいい議論を――。
